増える中高年リストラ、定年目前で慌てないための対策

増える中高年リストラ、定年目前で慌てないための対策

一般的にリストラは経営難に陥った企業が選択する最終手段という意味合いが強いですが、最近では企業の業績を上げるための「構造改革」として行われるようになってきています。

しかし日本には終身雇用制を採用してきた歴史がありますので、解雇するのは簡単ではありません。雇用者側の都合で解雇することになりますので、解雇の種類としては整理解雇に分類され、より厳しく法的な制約を受けることになります。

あくまでも企業側の事情ですので、もし退職を迫られたとしても、慌てないで落ち着いて対処しましょう。

どのような社員がリストラの対象となるのか

リストラ対象として最もターゲットになりやすいのは、給料の高い中高年です。長い間、年功序列型で賃金が上がってきたこともありますが、人口的にも40代以上の割合が多くなっています。

また、20~30代の若い年代の人は就職難の時代を生きてきた人達なので、今の中高年と比較しても生産性の高い人が多く、逆に中高年は、非管理職として働いているような人でも驚くような高額の給与をもらっている人も珍しくありません。そのため、中高年は管理職でも非管理職でも比較的高給な人が多いため、リストラの対象となりやすいのでしょう。

ですが、40代以上は子供の教育費がもっともかかる年代でもあるため、多少退職金の上乗せがあっても自ら早期退職するには早過ぎてしまいます。

もし退職を推奨されても慌てないこと

もし、上司や経営者より退職を推奨されたとしても、慌てないことです。日本で働いている正社員には厳しい解雇規制があります。

リストラによる裁判において、過去の判例では、整理解雇を行うには後述する4つの要件をクリアする必要があるとされており、それをクリアしない場合は不当解雇とみなされると思って間違いないでしょう。つまり、企業側の都合で簡単に退職させることは出来ないのです。

整理解雇の4つの要件とは

整理解雇を行うには、 基本的に次の4つの要件を満たす必要があります。

人員整理の必要性

会社を存続させるためには人員削減を避けられないといった、経営上の理由が認められる場合です。業績が好調な企業はこの要件を満たせません。赤字に陥っている、もしくは赤字になりそうなくらい経営が傾いた、というような企業の場合で、客観的にみて解雇が有効な打開策だと判断できることが必要です。

解雇回避の努力義務

人員削減以外の対策を講じたかが求められます。例えば残業や労働時間の短縮、配置転換、出向、新規採用の中止等が該当します。これらの手段を講じずに整理解雇は実施できません。

人員選定における合理性

整理解雇の対象となる労働者の選定は、合理的かつ公正な基準が必要になります。主観によって判断されてはいけません。例えば勤続年数による選定、出勤率が低い、扶養家族がいない単身者で生活への影響が比較的少ない、などの公正な判断が必要であり、もし従わなかった場合には、解雇権の濫用とみなされます。ですので、例えば上司が自分の気に入らない部下を辞めさせたいために整理解雇の対象とすることは不当解雇にあたるため、必ず客観的な判断基準が必要になります。

事前の説明と協議

雇用者は労働者に対して、整理解雇の必要性を十分に説明し、理解を得るよう努める必要があります。双方で十分に話し合い、選定基準や方法などを協議のうえ同意しなければなりません。そのため、何と言われようと労働者が同意しなければ整理解雇は出来ません。

定年目前でリストラの対象となった場合

もしあと何年かで定年にも関わらずリストラの対象となってしまった場合でも、特に慌てる必要はありません。整理解雇には先に説明した4つの要件を満たす必要があり、簡単には解雇できないからです。

自主的に退職するよう働きかける退職勧奨がありますが、法的なルールは存在しませんので、定年まで黙って耐えれば良いのです。もしそれを理由に配置転換などになった場合は、退職強要とみなされる場合があります。

早期リタイアか定年まで働くかはその人次第

最近は、30代でも早期リタイアやセミリタイアを希望する人がおり、この早期リタイアのことをアーリーリタイアとも言います。会社を早期に退職して、自由な生活を送りながら、自分の好きな趣味やボランティアなどで第二の人生を楽しむことです。そのため、アーリーリタイアには、その時点で貯金や資産がどれくらいあるかも重要な問題になってきます。

退職金の上乗せがあるから、と自ら希望退職者の募集に応募するには十分な注意が必要です。もし「定年後も働き続けたい」と考えた場合、退職してしまっては他に仕事を探さなくてはなりません。ですが、定年まで働けば、たとえ60歳で定年となる企業であっても、65歳までは本人が雇用の継続を希望すれば、継続雇用制度がありますので、そのまま働くことが可能です。これは高年齢者雇用安定法により希望者全員が対象となります。ただし、 継続雇用制度は、いったん定年して有期雇用として再雇用されることになるので、会社によって「嘱託社員」あるいは「シニア社員」「再雇用社員」などとも呼ばれ、正社員とは区別されますので、給料の水準も定年前より大きく下がることは避けられません。

まとめ

「もともとアーリーリタイアをしようと思っていた」あるいは「アーリーリタイアをして何かやりたいことがある」という人であれば、早期退職を選択するのも良いでしょう。しかし寿命が延びている現代では、アーリーリタイアが早すぎると老後の生活費や生き甲斐に困る可能性もあるため、早期退職をしたあとの暮らしに不安がある方は、リストラ対象者でない限り、希望退職者の募集があっても無闇に応じず、可能な限り働き続けた方が、心身共に健康的な生活を維持できるかもしれません。

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